挙銃動作について

挙銃動作は各人各様千差万別です。
ここでは、代表的な二系統の考え方についてご紹介します。

据銃姿勢

標準的な据銃姿勢です。
銃を左右に傾けたり、肘の位置(右肘の角度や、左肘の位置等)にも多くの流儀がありますが、 ここでは重心位置と左グリップの関係、挙銃方法のみに特化して考察します。


TYPE A - 稼動関節を最小化する -

稼動関節を最小化することを目的としたアプローチです。
T邊さんがこのタイプでした。銃口部の移動角度が小さく見えていたのは、 体格が小柄な為、バットプレート部の移動距離が小さいから。 小柄な方の場合、Type Aのデメリットが打ち消されるというのは発見でした。

左グリップを重心近くとすることで、挙銃に要する力を最小化します。 重心位置はバレルウェイトを調整することで前後させることができます。

左腕は動かさず、左グリップを支点として銃把を持ち上げるように回転挙銃します。


(メリット)
稼動関節が少なく、左腕を動かさない為に習得も容易です。
各稼働関節の誤差集積による振れも少なくなります。

(デメリット)
特に銃口部での移動角度が大きくなります。この為挙銃動作完了時(上下動停止時)の バレルウェイトによる慣性モーメントは打ち消すのが困難です。 (スウィング初期の上下振れの一因)

[ポイント]
挙銃動作に緩急をつけます。 肩付け直前に速度を落とすことで、慣性による影響を緩やかに吸収しましょう。


TYPE B - 挙銃角度/質量異動を最小化する -

移動角度/質量異動を最小化することを目的としたアプローチです。
O沼さんがこのタイプですし、またB野選手も(変則的ですが)基本的にこのタイプです。
※B野選手の場合、エアシリンダー先端を据銃時銃口軸線に据えてます。 ロングタイプエアシリンダーの使用と併せて質量移動を最小化していると思われます。

銃全体を両腕で持ち上げる(挙銃する)為、重心位置の重要度は TYPE A に比べ高くありません。
バレルウェイトの目的は、主にスウィングの安定です。


(メリット)
移動角度が最小化されます。
銃口部の上下動が殆どなく、大質量移動によるスウィング初期の上下振れが抑制できます。

(デメリット)
稼動関節が多く、特に左右の腕を同時に動かすことから習得が困難です。 また、各関節稼働の誤差集積による振れも大きくなります。

[ポイント]
反復練習あるのみっ!


Type A/B比較

挙銃角度の差が一目瞭然です。
バットプレートの動きに着目すると、下からまっすく挙がってくる【A】と、 前方から回り込むように後がってくる【B】の違いがあります。
つまりしっかり肩付けするタイプの射手には Type B が有利です。 また、頬付けを重視するタイプの射手には Type A が有利です。


TYPE C - TYPE Aのデメリットを改善する -

TYPE A のデメリットは、重心位置を調整することで、 そのメリットを残したまま改善が可能です。

バレルウェイトを大きく追加することで重心位置を前方に移動させます。 それに伴い左グリップ位置が前進します。


(新たに生ずるデメリット)
重量の増加と重心位置の前進、左グリップ位置の前方移動は、 全て左腕の負荷を増大させます。

TYPE Aに比べ挙銃回転半径が増加し、移動角度が縮小しています。 (2010年当時の)ロマノフ選手がまさにこのタイプでした。 ヨーロッパの選手にはこのタイプが多いようですが、我々日本人には…どうでしょう。
このフォームを使いこなすには筋力強化が必須です。

はっしー向きの挙銃動作だと思います。
『バイラーク改ベルゼブブカスタム』の実現と併せて強くお勧めします。


(メリット)
稼動関節が少なく、左腕を動かさない為に習得も容易です。
各稼働関節の誤差集積による振れも少なくなります。
銃口部での移動角度が TYPE A に比べ小さくなります。

(デメリット)
重量の増加と重心位置の前進、左グリップ位置の前方移動により、 左腕の負荷が増大します。

[ポイント]
筋トレでカバーっ!キーワードは上腕二頭筋、広背筋、三角筋


Type A/B/C比較

Type A/B/C比較


総括

『意見には個人差がありますっ(まっさん談)』

さて、我が東村山班では結成当初から Type A を採用しておりました。 ただ、当初からそのデメリットは認識しており、常に Type C への移行を試みてはいたのですが 筋力の壁に阻まれ断念していました。

挙銃タイプは、各人がそれぞれの考えで自由に選択頂くのが良いと思います…が、 少なくとも、それぞれのメリット/デメリットを認識した上で、適切なトレーニングと 銃器のセッティングを試みて頂きたいと思います。

あ…我が東村山班は今週末(2016/5/14)から Type B に移行することになりました。
習得は困難かもしれませんが、理論的には優れてますから。 反復練習あるのみっ!です。

『12時間もありゃジェット機だって直らぁ(カリ城ルパン談)』

【後日談】
更改後のフォームで初の実射(2016/5/21)…据銃時のサイト上下位置が『ずれるときは大きくずれる』
左右の腕を同時に動かして目標位置にピタリと着けようというのですから、そりゃ難しいですよね。 でも、FASTの点数が飛躍的に向上しました。SLOWに迫るくらい。(SLOWは微減しましたが…)
改善への施策は先日のラジオ放送の中にあります。 (判らない方は、まず『福笑い』から試してみましょうか)

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