RT10m競技におけるダブルポストスコープの使用方法
4倍スコープからの視界
RT10m競技では使用する照準器は『倍率不可変 拡大率4倍』と規定されています。
RT50m競技では6~8倍(人によっては12~16倍)で狙いますから、4倍はかなり小さく感じます。
センター照準と6時照準
以下の紹介例では6時照準(白一線照準)ではなくセンター照準(コンバット照準)を採用しています。
どちらが主流かは判りませんが…
北欧選手の動画等を見ると6時照準を採用している方もいるようです。
センター照準(左)と6時照準(右)
数理解説
標的到達までの平均弾速を170m/sとすると、発射から着弾までにSLOW標的が移動する距離は約23.5mm。
FAST標的ならばその倍(約47.0mm)です。つまり、標的と等速度でスウィングしながら射撃し命中させる為の
適正な狙い越し(リード)を確保するのがダブルポストスコープ(※)の目的です。
※別名:ランニングターゲットスコープ、quadruple reticle adjustment rifle scope等
MIX40競技にも対応する為には、SLOWとFASTの間でのサイト調整は行わないようにしたいですね。
そこで、狙点マーク~標的センター間の距離が70mmですからその三等分距離(23.3mm、46.6mm)を利用しましょう。
三等分距離(23.3mm、又は46.6mm)に調整したスコープと左右のポストと狙点(狙点マーク/標的)の組み合わせで
適正な狙い越しを実現するのが、下記にご紹介するRT10m競技におけるダブルポストスコープの使用方法です。
注) 実際には弾速等の違いにより微調整(数ミリ狙点を変える)が必要です。
ダブルポストによる照準方法① - FAST時に狙点マークを狙う -
(サイト調整)
ダブルポストスコープを用いる場合、左右調整機能のあるスコープリングが必須です。
まずはじめに左右ポストを中心に揃え、左右ポストの真ん中に着弾するようスコープリングを調整して下さい。
次に、左右ポストをそれぞれ23.3mm開きます。RT10m標準標的2点圏にポスト上端のセンターを合わせるのが良いと思います。
(SLOW)
標的進行方向に対し、後ろのポストを後ろの標的のセンターに併せて射撃して下さい。
リード射法(標的とポストの相対速度がゼロ)が基本です。
(FAST)
標的進行方向に対し、前のポストを狙点マークに併せて射撃して下さい。
標的の移動速度が速く、スウィング射法になりがちですが、リード射法(標的とポストの相対速度がゼロ)が基本です。
標的進行方向に着弾が散る場合、狙点調整をする前に、まずはスウィング射撃していないかを疑いましょう。
ダブルポストによる照準方法② - SLOW時に狙点マークを狙う -
(サイト調整)
左右ポストをそれぞれ46.6mm開きます。RT10m標準標的2点圏にポスト上端のセンターを合わせ、
反対の2点圏に着弾するよう調整して下さい。
(SLOW)
標的進行方向に対し、前のポストを狙点マークに併せて射撃して下さい。
(FAST)
標的進行方向に対し、後ろのポストを後ろの標的のセンターに併せて射撃して下さい。
照準方法の選択
選択のポイントはSLOW/FASTどちらで狙点マークを狙うか、そしてポスト間の距離が近いか離れているか…
小さい黒点(狙点マーク)と大きい黒点(標的)では、その中心に合せるのは小さい方が容易だと思います。
狙いに時間を掛けられないFASTで小さい黒点(狙点マーク)を狙うのが合理的だと思い僕は前者を選択しています。